2012年5月8日火曜日

トンデモ説ができるプロセス : 疑似科学ニュース


メカAG
久しぶりに目に止まったのでネットで語られている9.11テロの陰謀論をちょっと読んでいた。その中で燃え盛るビルを撮影した映像に真っ赤になって溶けて落ちる金属らしき物体の様子があった。

陰謀論者いわく、これは高温で熱せられ溶けた鉄であり、通常の火災では鉄が解けるほどの温度には達しないはずだから、何か特殊な爆弾によるものであろう。すなわち火災は旅客機の衝突ではなく、あらかじめビルに仕組まれた爆弾によるものである、と。

通常の火災でもアルミが解ける温度には達する。しかしアルミは溶けても真っ赤にならず銀色のままであるから、映像の金属はアルミではありえない、という。

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「あれ?」と気になったことを疑問を持ち、こうして調べていくのは良いと思う。確かに上記の主張は途中まではあっている。アルミは融点が低い上に反射率が高いので溶けた状態でも外部の光を反射し銀色に見える。鉄などが赤く見えるのは融点が高く、反射率も低いため、鉄自体が高温のために発している光の方が強く見えるからだ。このようなことを考えるのは、何の疑問も持たずに映像を漠然と見てるだけよりは、はるかに学究的であろう。

ただアルミニウムは溶けても銀色だが、酸化アルミニウムは赤く見える。したがって映像の金属は酸化アルミニウムであろう、という説明が成されても納得せ ず、当初の主張「あの金属はアルミではない」を頑なに繰り返すと、ただの信念、トンデモ説となる。


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他の状況証拠が通常の火災であることを示しているのに、「通常の火災ではない」と主張する根拠として「赤熱した金属は鉄である」を持ってきたのなら、鉄でなくても赤熱して赤く見え、現場にあっても珍しくない酸化アルミニウムの可能性が示唆された時点で、スタートライン「通常の火災」に立ち返って考え直すべきだろう。無理に「通常の火災ではない」と考える理由が失われたのだから。

にもかかわらず、あの金属が酸化アルミニウムであることを証明せよ、できないならやはり鉄に違いない、少なくとも鉄である可能性は否定出来ない、すなわち通常の火災ではない可能性は否定� �来ない、というような論法を使い出すと、いつの間にか目的が変わってしまう。


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溶けているのが鉄で、火災現場がそれほど高温になったと主張するならば、溶けていない鉄があることを説明できなければならない。鉄であるのが明らかな部分は溶けておらず、正体不明の金属だけが溶けているのなら、その正体不明の金属は鉄ではないと考えるのが妥当であろう。

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トンデモ説の成り立ちはすべてこのパターンで説明できるように思う。

  1)従来説では説明できない現象を発見した。
  2)何か常識とは違うことが起きているに違いない。
  3)よく考えたら従来説の範囲で説明可能だった。
  4)でも常識に反することが絶対に起きていないとは言い切れない。
  5)否定したいなら常識に反することが"起きてない"ことを証明せよ。


普通は「常識に反することが起きている」と主張する側がそれを証明しなければならないのに、「常識に反することが起きていない」ことの証明を求める。証明責任を「常識」の側に転嫁しているわけだ。



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