カスタマイズ | The Essential
R1200GSのメーカー純正ローダウン仕様。
標準仕様よりシート高で60mm低いにも関わらず、162cmの自分には両脚の親指の先しか着きませんが、停車時はケツをちょっとずらして片足立ちでまあ普通に乗れています。
・・・が、物理的に何ともならないこともあり。
それがサイドスタンドの操作。
GSのサイドスタンドには跨った状態ではらうためのバーというか、突起というかそういう類のものが一切ありません。
両脚がべったり着く人には想像し辛いと思いますが、自分の場合は右足の指の付け根でバイクを支えた状態で左足はサイドスタンドに届くか届かないかギリギリ。
更にGSはオフ車という位置づけなので、サイドスタンドで自立した状態では車体が寝過ぎていて、跨ってから車体を直立させるにはかなりの力が必要。足が届かないと勢い余って逆に倒す危険もあります。
そんなワケで普段はサイドをはらってから跨る癖がついて、それに慣れていました。
ところが、先日GSにして初めてタンデムをした際に、連れが後ろに乗る際の重みに耐え切れずに倒してしまったので、できればこういうシチュエーションでもサイドを出しておいて跨ってからサイドを畳めるようにしたい。
ということで以下の2点を改善することにしました。
1.サイドスタンドをはらう突起の後付
2.サイドスタンドを嵩上げし車体の傾斜角の緩和
上記2つを改善するための市販品は標準仕様のものは普通に売っていますが、ローダウン仕様はサイドスタンドが専用なため対象外。
正式にメーカー純正ローダウン仕様が出て3年くらい経つと思いますが、そもそも台数が出ないのか、一向に対応する品が出る気配はありません。
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ネットではワンオフで作成して貰っている例などありますが、ウチのディーラーはそういう提案もしてくれないし、無いものは無いということなので、仕方なくサイドスタンドヘルパーは流用品で、サイドスタンドの下駄は自分で作成し対応しました。
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1.サイドスタンドヘルパー(サイドスタンドをはらうためのバー)
流用したのはバーハンドル用のミラーホルダーと、POSHの10mmショートウインカーステー(M10x40mm、スタッドボルト用)。
スタンドの直径を測るとほぼ22.2mm、これは汎用バーハンドルと一緒ということで、黒いミラーホルダーで長さが稼げそうなものをヤフオクで購入。
それだけではまだ長さが不足気味だったので、その先にミラーのボルトM10と同じ規格のアルミ製ウインカーステーを繋げました。
ウインカーステー+ステーに付属していた8mm程度のナットをそのまま使い、ミラーホルダーも含めた長さはスタンドから70mmくらい外に稼げました。
取り付ける位置、角度によっては畳んだ時にステップに干渉するので注意が必要。
写真の位置ではステップとほぼ並行になるため、もう少し長くてもイケます。
費用は約3,000円。見た目もそう悪くないと思いますがいかがでしょうか。
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2.サイドスタンド下駄
ネットで調べると、下駄とか、サイドスタンドパッカーとか、サイドスタンドトーラーとかと呼ばれてるみたいです。
標準仕様のGS用は1〜1.5万円くらいで販売されていますが、ローダウン仕様は設置する部分の形が違うのでそもそも着きません。
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ということで自作しました。
市販品は大抵アルミ製ですが、旋盤の無い環境で自作するには硬質ゴムとか木とかじゃないと無理だな・・・と思っていて目に留まったのが樹脂。
ネットで調べるとナイロン製まな板で自作している例もありましたが、GSは重量級で強度に疑問があったのと、自作とは言え多少は見た目にも拘りたいので、ジュラコンでの自作にチャレンジ。
ブロックを買おうとさらにネットを調べると、加工した状態で販売してくれる業者さんを発見。
予め、サイドスタンドの下に厚紙を敷いて型取りしておいたものに、固定用のボルト穴を開けるための代とボルト穴の位置を計算したサイズを入力して、自動フォームに入力し発注。
3日後到着したのがコレ。
サイドスタンドの接地面の形に合わせて一辺の角を落として貰ったのと、手持ちのドリルでは真っ直ぐあける自信が無かったM5ボルト用のタップ4箇所。
厚さは20mm。
このままスタンドにボルト留めするにはスタンドの接地面の厚みがあり不安定なので、スタンドの形に多少彫り込むことにします。
前述の業者さんのサイトでは注文フォームに座繰りの項目が無かったので自分でやることにしましたが、もしかしたら頼めばやってくれるのかな・・・。
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さて、こっからですよ。大変なのは。
今回はなるべく費用を掛けないということもあり、手持ちの道具で加工。
取った型に合わせて彫刻刀!(笑)でシコシコ掘っていきます。
リューターでは樹脂が溶けて絡みつきマトモに削れないらしいです。リューター持ってないので知らないけど。
彫り始めて2時間くらい。深さ1mm程度まできましたwww
彫る感触は硬質の木とそれ程変わらない感じです。
木版画とかと同じく勢い余って縁を飛ばしてしまっているところもありますが(笑)、一度縁を作ってしまえば、その後は意外とサクサクと削れます。
2日に亘り、延べ4時間くらい掛かってようやく2mmくらい彫れました。
この状態でサイドスタンドの底を収めると、サイドスタンドがまだ0.5mmちょっと高いですが、作業に飽きたのと、掘りすぎてボルトが掛からなくなるのが怖いので、この状態で固定することにします。
ワッシャーで挟み込むようにM5ボルトで留めて完成。
思ったよりボルト穴の位置を安全に見ていたため、普通のワッシャだと掛かりが悪かったので大きめのワッシャでサイドスタンドをがっちり挟むようにしました。
ジュラコンは硬いとは言え所詮樹脂なので、ボルトの締め過ぎに注意します。樹脂の特性として粘りがあるので、そう簡単にはボルトが緩まないという希望的観測。
ちなみに、ジュラコンは接着剤がほぼ効きませんので、ネジロックとかも効果は無いと思います。
ところで、後で気がついたのですが、バイク用のボルトはM6規格が多いようでM6だったらボルトの形も選べたのですが、M5で黒いボルトは1種類しかありませんでした。
それから、黒いワッシャも無かったので取り敢えずステンレスのワッシャで。
正面から比較。
出先で撮影位置が適当だったので左右の撮影角度が揃ってませんが、傾きはかなり普通になりました(隣に停まっていたZXRと同じくらい。)
跨って車体を立てる動作は比べ物にならないくらい楽になりましたよ。
ジュラコンブロックの厚みは20mmで2mmくらい彫り込んだので、18mmくらいは嵩上げされたかな。
角度としてはかなり理想的になりました。
またサイドスタンドを畳んだ状態で、センタースタンドとのクリアランスは2mmくらいだったので、18mmくらいの嵩上げがギリギリ。
もう少し上げるには下駄の角を落とさないとセンタースタンドに当たるし、そもそもバイクが立ち過ぎになるおそれがあるので、ちょうど良かったと思います。
ちなみに材料費はジュラコンブロックが約900円、加工費が約2,000円、ボルト&ワッシャが約600円で計3,500円程度。
彫刻刀での加工は思ったよりはなんとかなりましたが、正直言ってめちゃくちゃ退屈な作業で、1万円やるから同じもの作ってくれと頼まれても絶対にイヤ。2度とやりたくありませんwww
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さて、長文になってしまいましたが、これでサイドスタンドが掛かった状態で跨り、車体を直立させてサイドスタンドをはらうという動作が普通に出来るようになりました。
サイドをはらった状態で跨る時の不安定さから開放される精神的な効果が大きいです。
後は、シートの角を削る作業の予約をしているので、より使いやすいGSになることを期待。
楽しみです。
※関連項目
・R1200GS 純正ローダウン仕様足つき
・ハンドル引いた
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